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2009年11月28日 (土)

終わりの始まり

円高が止まらない。
MacやiPodを買う分にはいいのだが、そんなことは一時的なことで将来的にはマイナス要因としか思えない。

輸入企業はホクホクだろう、今は。
ただ、それは円の海外への流出に他ならない。通常であれば消費者が購入した際に支払う貨幣は、購入品を売っている小売店や作っている工場に流れ、それが賃金として再び消費者に戻ってくる。
でもこれは金は天下の回り物だった時代の話だ。

今や安い中国製や東南アジア製品ばかりが街に溢れている。そのため貨幣が賃金として消費者に戻ってくるのではなく、海外に流れていることになる。故に賃金は下がり、より安いものばかりを求めるようになる。
つまり安いものを求めることは、貨幣を捨てていることになるのだ。

確かに今でも日本の個人資産は比較的高い水準にあるが、デフレスパイラルにより、その構造は富裕層と貧困層の二極化へと急速に進んでいる。
問題は富裕層だけでは消費を支えることが出来ないことだ。どんなにお金持ちであっても1日に食べられる食事の量は貧困層とそう違いはないし、買い物に費やす時間も限られているのだから富裕層への資金の集中は消費の縮小と同じことだ。

貨幣の減少は税収の減少をも意味する。デフレ対策として外為相場に介入しようにも介入によってさらなる円の流出が起こるために、政府もドルを買い支える続けることは出来ない。公定歩合も下げようがないし政府による所得保障や雇用創出を行うための円もないのだから、残る手段は持っている人間から取り上げるしかなく、累進課税を引き上げて富裕層からお金を取り上げるしか道が残らなくなってしまう。

当然、富裕層は海外にお金を持って出ていってしまうだろう。そうなると円を持っているのは海外ばかりで、国内は総貧乏という状況になってしまいかねない。

今、もっともデフレが目立っているのが、火付け役のユニクロを始めとする衣料品だ。衣料品が下がるということはデパートなどの大中規模小売店の売り上げを直撃し、結局流通業界全体を巻き込み始めている。
流通業界の資金悪化は衣料品だけにとどまらず、電化製品などの耐久消費財から食料品などの日常消費財にまで影響を及ぼしてしまう。つまり、一部のサービス業以外の産業界全体の悪化へと進んでいく。

価格を下げる

海外生産、輸入への依存度が強まる

海外に円が流れ、国内企業に円が入ってこなくなる。

給料が下がり、より安いものを買い求める。

価格を下げる…どうみても自殺行為だ。

始まりはグローバルスタンダードに盲目的に従い、利益を最優先として自らの技術力やビジネスに誇りを持たなくなったことだと思う。
だから、平気で海外に生産拠点を移したし、国内産業を無視した海外製品の輸入へと「モノ作りの企業」から「ただ売るだけの商社ビジネス」に国内企業全体が移行してしまった。
「商社ビジネス」は短期的には利益を生み出すが、それに伴う技術力の喪失は将来的なビジネスの行き詰まりへと繋がる。そして一度失ったものを手にするのは現状を維持する以上の体力を必要とするのだが、それに気付くのが体力が無くなったときなのだから、立ち直れるはずがない。

今のペースで行けば、20年後には日本企業は社会を支えるだけの体力も技術力もなくなってしまうかもしれない。そしてその頃に労働力として社会に出てくるのは出生率が最低の世代なのだ。

金が無い、技術も無い、人手も無い、ただあるのは借金と老人ばかり。

かつては「いいモノを買いたい」そのために勤勉に働くというのが日本人のスタイルだった。いいモノを買うというのは、自分に対して誇りを持っていたからだ。そして、それが向上心を支えていた。

誇りを無くした国家が滅びるのは、ローマ帝国以前の時代から歴史が教えてくれている。

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