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2012年10月 2日 (火)

ソフトバンクがイー・アクセスを買収

ソフトバンクによるイー・アクセスの買収が発表された。
これによりiPhone5で1.7GHzのイー・アクセスが敷設してきたLTEを利用できることになるが、果たして大丈夫だろうか?

8月末時点でソフトバンクの契約数は3491万人、イー・アクセスは420万人である。ソフトバンクの契約数は抱き合わせ販売で数パーセントは水増しされているが、それでも3000万強と約8倍なのは間違いない。
まだiPhone5は発売されたばかりだが2012年のiPhoneの国内販売見込みが700万台超であることを考えると、1年で800万台以上が販売される可能性がある。その半分がソフトバンクとしても約400万台、つまり現在のイー・アクセスの契約数とほぼ同数のLTE端末が増えることになる。
そもそもネットワークは契約数を考慮した上で構築される。経営上の観点からも決して余裕が豊富にあるものではない。イー・アクセスは契約数を考えるとそれほどバックボーンの容量も無いだろう。販売されたiPhone5が全てイー・アクセスのネットワークを利用するわけでは無いが、それでもトラフィック量の多いiPhoneの大量流入によって、既存のイー・アクセスユーザーへの影響はそれなりのものが予想される。元々イー・アクセスのユーザーはモバイルルータによるデータ通信が中心でユーザーあたりのトラフィック量は多く、ソフトバンクの逃げ道となるだけ余裕があるかは微妙なところではないだろうか。
基地局が増えれば電波をつかみやすくなるというのは一般ユーザーには分かりやすいので遡及ポイントとなるが、電波をつかむのと実際に通信を行うのは別である。アンテナが5本立っていても通信出来ないというのは、キャリアの設計ミス以外の何ものでもない。

イー・アクセスのカバーエリアについても都市圏を中心としたものでこれはソフトバンクのエリア戦略と重なる。そういう意味では補完としての役割には適しているのかもしれないが、端末からしてみると同じ場所でソフトバンクの2.1GHzとイー・アクセスの1.7GHzをつかむことになる。つまりソフトバンクのiPhone5は2.1GHzの3G、900MHzの3G、2.1GHzのLTE、1.7GHzのLTEと4つの周波数帯を切替ながら通信することになる。
auはどうすれば効率良く通信できるかを良く考えて基地局設計をしているのに対して、ソフトバンクはとりあえず基地局を立てれば圏外が減るだろうという下手な鉄砲も数打ちゃ当たる方式で基地局設計をしているからではないだろうか。先日の発表でも8月18日時点でソフトバンクのLTE基地局免許数が10,673に対してauは4,516と発表していたが、まさにこの数字がそれを示している。
電波設計は非常に複雑なものでそう簡単に基地局を増やせるものではない。ソフトバンクのバッテリー消耗が早いのはこの基地局数が原因で、同じ場所に複数の基地局からの電波が入り乱れているために頻繁に回線のネゴシエーションが発生しているからだろう。
今回イー・アクセスの基地局にも接続することで頻繁に2.1GHzと1.7GHzの間で切り替わってしまいバッテリーを急速に消耗する可能性がある。
そうでなくてもソフトバンクのiPhoneはauのiPhoneに比べてバッテリーの消費が早いと言われているのに、それがさらに加速することになりかねない。

通信トラフィックやバッテリー消耗についてはユーザーが手を出せる部分ではないだけに、ソフトバンクがしっかり考えて対処しなければならないが、スピードを重視している企業スタンスからしてあまり期待は出来ないかもしれない。

基地局数や月額使用料など数字でユーザーに遡及する手段についてはソフトバンクは上手いし、ユーザーも「数字の差」はパッと見て分かりやすい。また、ユーザーの要望に対処するまでのスピード感も持っている。いずれもキャリアを選択する場合の判断材料にし易いのは確かだ。
その一方で数字で見えない部分、使ってみて初めて感じる部分についてもユーザーがしっかりと考えるべきだ。もちろん自分のエリア状況や家族割りなど様々なメリット・デメリットを判断した上でソフトバンクを選択するのは有りだが、2年契約のしばりが基本となった今では単純に笛の音に踊らされてしまうとイライラさせられる2年間を過ごすことになりかねないので注意。せっかくソフトバンクとauという2つのキャリアを選択できる自由を得られたのだから。

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