Freecom MobileDrive Mg のディスクを換装
MacBookにUSB typeCが採用されたことで行く末が見えてきたThunderbol。もうしばらくはProを中心に残ると思われるが、筐体の変更に合わせていずれ消えていくのだろう。
USB Type-C(AppleはUSB-Cとしている)はコネクタの規格であり、データ転送のプロトコルはUSB 3.1の規格。一方で給電能力はUSB Type-Cの規格ということで、合わせて10Gbpsのデータ転送(USB 3.0は5Gbps)と10W〜100Wの給電能力をサポートすることになる。
大雑把に言えばUSB 3.0もThunderboltもバスはPCi-Expressにぶら下がっていることと、DisplayPortをサポートしているという点で技術的な根っこは同じようなものなのだが、転送プロトコルにPCI-Expressを使用しているThunderboltはケーブルや接続機器側に高価なチップを搭載するために価格がネックとなっているのに対して、USB Type-Cはすでに普及しているUSBプロトコルを使用し、コネクタもこれまでのType-AやBと互換性があることから、開発コストも含めて安価に提供することが出来る。
転送速度が同じ、給電能力は上、その上安いとなれば結果は見えている。
とはいいつつも、自宅で使用しているMacBook Pro 17 (Late 2011)はUSBが2.0なので、Thunderboltが最速が最速のインタフェースということになる。
現在、MacBook Proに常時接続しているドライブは3台。
1台は2011年秋に購入したFirewire接続のFreecomの750GB。これは使用頻度が落ちたデータのアーカイブ用に使用。
1台は2014年春に購入したUSB接続のWDの2TB。Yosemiteに更改後も Server 4.1をインストールしてMacBook ProとMacBook Airの両方からTimeMachin用として使用。
Thunderbolt接続には、Firewire接続と同じFreecomのMobileDrive Mgを接続。MacBook Proの作業データとiTunesライブラリのバックアップ兼MacBook Airとの共有用。MacBook AirにはiTunesライブラリの全データを格納する余裕が無いので、必要に応じてこのドライブをMacBook Airに接続、Optionキーを押しながらiTunesを起動してこのライブラリに接続。
OTAでデータを共有することも可能だが、サイズが大きいデータや通信の安定性を考慮するとオフラインでの共有はまだまだ有効な手段だ。
ちなみに、このドライブはThunderboltケーブルが付属しない製品(36735)と付属している製品(36886)の2種類がある。Thunderboltケーブルは高いので(Apple純正は50cmで3,500円)、差額次第ではケーブルが付属するモデルを購入した方が割安になる場合がある。
MacBookを意識したポータブルドライブは幾つかあるが、このFreecomのデザインはロゴがそれほど目立たないところがお気に入り。
ここからが本題。
Freecom Mobile Drive Mg U3 & Thunderbolt に搭載されているHDDは5,400rpm/8MBキャッシュの2.5インチ1TB。どう考えても高速I/Fが宝の持ち腐れ状態だ。そこで内蔵されているドライブを交換することで、高速化を図ることにした。
今や高速ドライブと言えばSSDだが、現時点で700GB近くの容量を使用しているため、これに対応出来るSSDとなると1TB以上となる。さすがに1TBクラスのSSDともなれば5万円前後となり、易々と手を出そうという気にはなれないのでSSHD (ソリッドステートハイブリッドドライブ)を搭載することにした。
1. ポートに糊付けされている黒いパネルを剥がす。
2. パネルに隠れていたネジ(0番)を2つとも外す。
3. 上蓋を前に少しずらせば(力を入れなくても簡単にずらせられる)上蓋が外せる。
4. 黒いネジを2本とも外して、基板を取り外す(ドライブのねじ穴に筐体の突起を挿すことで安定させているため、ドライブを外すには一度基板から外す必要がある)。
5. ドライブを交換、元のドライブに貼ってあった緩衝材(?)を貼り直す。
6. 逆の手順で組み立てる。
※ゴム足の下には何もないので交換作業において剥がす必要はない。
ケースの分解そのものは簡単で、10分もあれば交換作業は終わる。
元から搭載されていたドライブは9.5mm厚のST1000LM024。型番からSeagateのものであることが分かるが、元々はSeagateが買収したSamsungのHN-M101MBB。ディスクにはこの型番も併記されている。
このドライブは9.5mmで1TBを搭載した最初の製品。
載せるSSHDは同じくSeagate製のST1000LM014。ただし、こちらはちゃんとした本家Seagateの製品。9.5mm厚なのでピッタリ収まる。
分解・交換はメーカー保証外なので自己責任。
交換前(HDD)と交換後(SSHD)のベンチマーク。
HD | SSHD |
スコアでは劇的な違いが見られないが、Seagateの資料には「シーゲイトのエンジニアが開発したAdaptive Memory 技術は、ドライブがソリッド・ステート・メモリ部分 に書込むべきデータを知的に判断し、時間の経過とと もにデータ使用に変化が生じた際にはその割り当てを 動的に修正することができる革新的なアルゴリズム です。」との記載があり、恐らくベンチマークの際にはかなりの部分をHDで処理されているためと思われる。
実際に使ってみると、その速度差は十分に体感することが出来る。
余った1TBのHDDはInateckのケースに収納。採用されているコントローラーはNORELSYS 106Xという中国のメーカー製。現在は前述の3台の外付けドライブで問題なく運用出来ている状況なので、NTFSでフォーマットしてWindows用として利用する見込み。
GPUも直ったし、ディスクはSSDとHDDの2ドライブ。メモリは16GBで無線周りもいじくって、OSはYosemite。MacBook Pro 17はユーザーがある程度カスタマイズ・強化しながら長く使えるというある意味Old Mac的な使い方が出来るいいマシンだと思う。
最近のMacはとにかくユーザーが中身を触れないような構造とパーツ構成になっており、ある意味使い捨て的なマシンになっているのが少し残念。
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